ワイヤカット放電加工とは、銅、黄銅、タングステンなどの細いワイヤを電極として放電加工をおこなうもので、ワークを載せたテーブルを移動させてワークをくり抜いていく加工方法です。
放電加工には、型彫り放電加工とワイヤカット放電加工がありますが、この記事ではワイヤカット放電加工の基本原理、メリット・デメリットについて説明します。
ワイヤーカット放電加工の基本原理
ワークを絶縁性の加工液に沈め、ワイヤー状の細い電極(直径0.20mm程度)を使用して放電を起こし、ワークをくり抜くように加工する方法です。
ワイヤカット放電加工は、電極を製作する必要がなく、切削加工では加工ができない複雑な形状も加工ができます。また、型彫り放電加工と比較して加工ギャップは小さくなりますが、加工精度はワイヤ径に依存します。細いワイヤ径を使用すれば加工精度は上がりますが、電流値が小さいため加工速度は遅くなります。太いワイヤ径を使用すれば加工精度は下がりますが、加工速度は速くなります。
ワイヤカット放電加工のメリット・デメリット
メリット
- 素材の硬さに関係なく加工ができる
- 複雑な形状でも加工ができる
- 電極の製作が不要
デメリット
- 加工時間がかかる
- 加工コストがかかる(ワイヤ消費量が多い)
- 電気を通さない素材は加工できない
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