放電加工(EDM)とは、絶縁性の加工液にワークを沈め、ワークと電極のあいだにアーク放電を起こさせ、電極に近接しているワークの部分を融解しつつ除去して加工を進める方法です。
放電加工には、型彫り放電加工とワイヤカット放電加工がありますが、この記事では型彫り放電加工の基本原理、メリット・デメリットについて説明します。
型彫り放電加工の基本原理
加工する部分と同じような形状、寸法をもつ、銅、黄銅、グラファイトで作られた電極を使用し、ワークと電極を絶縁性の加工液のなかに沈めたままアーク放電を起こして加工する方法です。
加工する部分の形状や寸法の制御は、電極保持部のサーボ機構や、ワークを載せたテーブルの駆動機構をコンピュータにより作動させて行います。放電加工は、電気を通す素材であれば、焼き入れを施した硬い鋼材の加工も容易にできます。しかし、ワークと電極とのあいだに放電のための数ミクロンないし数十ミクロンの加工ギャップ(すき間)が必要となり、この点から、加工精度には限界が出てきます。
型彫り放電加工のメリット・デメリット
メリット
- 素材の硬さに関係なく加工ができる
- 複雑な形状でも加工ができる
デメリット
- 加工時間がかかる
- 加工コストがかかる
- 電気を通さない素材は加工できない
型彫り放電加工は、高硬度の素材であっても容易に加工ができ、複雑な形状への対応が可能な優れた技術です。しかし、その特性にはメリットとデメリットが存在します。放電加工の特徴と適用分野について正確に把握し、適切に活用することが重要です。
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