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射出成形に必要な力と圧力の単位|型締力の計算方法を徹底解説

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射出成形では、溶融樹脂を高速・高圧でキャビティ内に射出するため、金型には相応の力が加わります。この力に対抗して金型をしっかり閉じておくのが「型締力」。

本記事では、型締力の意味、使用する単位、そして実際の計算方法まで丁寧に解説します。

型締力とは何か?

  • 成形中、溶融樹脂の射出圧力によって、金型が開こうとする力が発生します。
  • この型開きを防ぐために、成形機が金型を締め付ける力を「型締力」と呼びます。
  • 単位:kN(キロニュートン)またはtf(トンフォース)

型締力に関係するSI単位

項目単位意味
射出圧力MPa成形品にかかる圧力
投影面積cm²キャビティの押し出し面積
型締力kN金型を締め付ける力

1 MPa = 10.2 kgf/cm²(目安換算) 1 kN = 約102 kgf

型締力の簡易計算式

型締力(kN)= 投影面積(cm²) × 成形圧力(MPa) × 10 ※「×10」は概算係数(MPa → kgf/cm² → kNへの換算含む)

例題:

  • 成形品の投影面積:150 cm²
  • 射出圧力:60 MPa

→ 型締力 ≒ 150 × 60 × 10 = 90,000 kN(理論値) → 実際は安全率をかけて1.2倍〜1.5倍に設定 → 推奨型締力:約110〜135 kN

型締力不足によるトラブル

  • バリ発生(型がわずかに開く)
  • 製品寸法のバラつき
  • 金型破損(特定部位の負荷集中)

実務における留意点

  • 投影面積は「金型全体」ではなく「製品形状+ランナー+ゲート部」も含めて算出
  • 金型設計段階で必要型締力を把握しておくと、成形機選定もスムーズ

まとめ

  • 型締力は、成形品にかかる圧力に応じて正しく計算する必要があります
  • MPa(圧力)とkN(力)の関係を把握し、投影面積と射出圧力から型締力を予測することが、成形の安定化とトラブル回避の第一歩です

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