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切削加工とは

アイキャッチ画像 機械加工
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射出成形金型の製作において、「切削加工」は最も重要な工程の一つです。金型の精度、耐久性、成形品の品質に直結するため、加工法や使用工具、注意点などを正しく理解しておくことが重要です。

切削加工とは?

金属材料(鋼材など)を刃物(エンドミル、バイトなど)で削ることで、所定の形状に加工する方法です。金型製作では、キャビティやコアの形状、可動部、取り付け穴などを高精度で加工します。

主な切削加工方法

加工方法特徴用途
フライス加工(マシニング)多方向から削れる、複雑形状にも対応キャビティ、コア形状、プレート加工
旋盤加工円形、円筒部の加工に特化スプルーブッシュ、ピン類
放電加工(EDM)通常の切削では難しい複雑形状の加工が可能深溝や鋭角部、抜き勾配のない凹部
ワイヤーカット高精度の輪郭カットが可能コアピンや精密部品の輪郭加工
研削加工高精度で表面を滑らかにするパーティング面や仕上げ面

加工工程の流れ(一般的な例)

  • 荒加工(粗削り)→大まかに材料を削り、基本形状を出す。
  • 中仕上げ加工→形状精度を高めながら、最終仕上げに向けた準備をする。
  • 仕上げ加工→寸法公差・表面粗さを要求通りに仕上げる。
  • 放電加工・細部加工→切削加工では困難な部位を精密に加工。
  • 鏡面仕上げ・テクスチャ処理→ポリッシュやサンドブラストによる表面仕上げ。

使用工具と選定ポイント

工具特徴使用シーン
超鋼エンドミル高硬度材にも使用可能プレハードン鋼や工具鋼の仕上げ加工
ハイスエンドミルコストや安く汎用性が高い一般的な荒加工に適する
ボールエンドミル3D曲面形状の加工に最適光学部品や複雑形状のキャビティ
コーナーRエンドミルエッジの欠けを防止コーナー部の強度確保に使用

切削加工時の注意点

(1)材料の高度確認

高硬度材(HRC40以上)は、工具摩耗やチッピングが起きやすいため、切削条件の最適化が必要。

(2)冷却と切削液の使用

高精度加工では、クーラント(水溶性・油性)で工具とワークを冷却し、熱変形を抑える。

(3)バリの除去

加工後は、バリを確実に除去し、金型の組立精度・成形品の品質に影響を与えないようにする。

(4)加工後の測定と確認

三次元測定機やハイトゲージを使い、寸法や幾何公差をチェック。特にパーティング面やスライド部の精度確認が重要。

金型加工の最新動向

  • 5軸マシニングセンター:複雑な3D形状を高効率に加工可能。金型の一体加工に有効。
  • 高硬度材対応工具の進化:ナノコートされた超硬工具で焼入鋼の直接切削も可能に。
  • CAMソフトとの連携:CAD/CAMの連動により、精密な切削経路の自動生成が可能。

まとめ

切削加工は、金型の精度・寿命・成形品の出来栄えを大きく左右する重要工程です。適切な工具選定、加工条件、仕上げ管理を徹底することで、高品質な金型製作が実現できます。

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